『冷たくなった私にキスをすること #002』


ありがとう

おつかれさま

そう言って

彼女は

緑色の馬のクリップを

私の手のひらに

そっと乗せた

夢の中で

生まれ変るなんてファンタジーでしかないでしょ

それなら私たち

夢であいましょう

ゆったりと

ねむりに落ちたとき

わたしは過去をさまよい

いつのまにかあなたと寄り添う

そして変わりのない微笑みに安堵し

包み込まれるようなぬくもりを確かに感じて

涙があふれるのだ

そうだ私たち

また夢であいましょう

1年後か

10年後か

20年後か

30年後か

40年後か

50年後か

わからない

いつかまたあえたら

誰にもいわないで

© 霧子